2017年12/26〜2018年1/4まで、初めてのスペインへ行ってきました。
私はオランダに1年少し住んでいたことがあり、住んでいるときに強盗に遭ったこともあるのでスリや強盗の多さは人一倍理解しているつもりです。
その後もヨーロッパへ何度も旅行をしていますが、できるだけ危険そうな場所は避けるし夜も外出しないのはもちろんスリや強盗対策もしています。
でも初めてのスペインでは、泥かけスリ(強盗)未遂に遭いました。
ここではそのときの状況と、未遂で済んだと思われる理由を分析してみたので紹介したいと思います。
マドリードのホテルからアトーチャ駅へ移動時に発生
私たちが宿泊していたホテルは、マドリードのアトーチャ駅から徒歩7分くらいの場所にあるホテル「AC Hotel Carlton Madid, a Marriott Lifesyle Hotel」です。
ホテル自体は駅から徒歩5分くらいの大通りに面していて設備も整った四つ星ホテルで、駅からの道は夜は怖いけれど昼間歩くぶんには問題があるとは思えません。
>>AC Hotel Carlton Madrid, a Marriott Lifestyle Hotelの情報や立地を確認する
朝10時にチェックアウトをして、キャリーバッグを転がして駅へ向かっていたときでした。人通りも少ないわけではなく朝10時なので道も暗く狭くもありません。
トルトサ通りを通っていたときは、夫が前を私が後ろから追う形で歩いていました。バス停を過ぎたすぐのところで、頭の後ろに何かかかったような感覚がありました。
上から鳥の糞でも落ちてきたのかと思ったと同時に、後ろから女性が「上から何か落ちてきて後ろについている」と英語で話しかけて近寄ってきました。
前を歩いていた夫も戻ってきて、私の後ろを見て「これはひどい」と驚くほどに髪の後ろとリュック・キャリーバッグにどろっとした液体がついていたようです。後で聞いたら、リュックの被害が一番ひどかったようでした。
泥かけスリ(未遂)の手口
後でネットで調べたら、ケチャップスリ(強盗)や泥かけスリ(強盗)の被害がバルセロナやマドリードなどのスペインの大きな街で発生したことがあるという記事が今回の手口とほぼ同じでした。
1人が泥のようなものをかけて1人が親切を装い近づいて、拭き取りながらスリ(強盗)をすると書かれていたそのものでした。
旅行前に友人から、バルセロナでケチャップをかけられた(2年前)ということを聞いていました。
でも最近の記事で被害の報告は見つけられなかったのでまさか白昼堂々こんなことが起きるとも思ってもいませんでした。
後で聞いたら数名はスペインで被害に遭ったことのある友人・知人もいましたが、10年以上も前だし何も起きずに旅行を終える友人のほうが多いので自分の身にふりかかるとも思わず。
このときの手口は以下のような状況でした。
- 泥のような白っぽいどろっとしたものがかかる
- 何かついていると話しかけ親切を装い近づいてくる(女性)→私は最後まで親切な人だと思っていた( ̄▽ ̄;)!!。
- ティッシュで拭き取ってあげようとする
- 夫にやたら「頭を拭け」と促す(手を上に上げさせるため?)
- 拭き取るための水はないかとペットボトルを出させようとする(バッグを開けさせるため?)
- 夫のズボンあたりにも気が付いたら泥のようなものが少しかかっていた
- 気が付いたら途中から男性も一緒にいた(通りすがりの親切な人だと最初は思った。でもニヤニヤ笑っていたので変だなと思った。)
女性から泥のようなものを拭き取られている間、上から何かが落ちてきたという言葉を私は信じて疑いませんでした。
一緒に泥を拭き取っていた夫も最初はそう思っていたらしいけど「水を出して」と言われたあたりから、そして自分のズボンにも泥のようなものがかかっていることに気付いたあたりから怪しいと警戒し始めていたそう。
後から分析してみたら明らかにおかしい点がありました。ネットで検索して同じような手口の記事を見つけたときに、スリをしようとしていたんだと確信しました。
- 上から落ちてきた泥のわりには飛び散った感じではなくて、頭の後ろ・リュック・キャリーバッグの一部にしっかりべっとりきれいについていた
- 前を歩いていた夫のズボンにも少し泥がついていた→最初は拭いているときに飛び散ったのかと思ったけど、付き方がおかしかった。
- 水を出せという理由がわからない
後から冷静に考えたら、こういうことだったんだと思います。
- 私がリュックを身から手放すことを狙っていた
- なかなか身から離さないので途中からターゲットを夫にした
- 夫のズボン横ポケット(深いポケット)に財布があることは見た目にも明らかにわかるので、1人がズボンに泥をかけて両手を空けさせて(私の泥を拭かせたり水を出せと言ったり)いるところを盗もうとしていた(?)
- 夫は途中でおかしいと気付き、自分のズボンのポケットを守りつつ拭いていた。←財布が入っていたのは一目瞭然にわかる。
- 電車の時間があったので私たちはもう大丈夫だと切り上げて別れを告げた
私自身はその泥のようなものが苦手なニオイで臭すぎて(たぶん、セルフ脱毛のクリームに何か混ぜたものかと思われる)リュックを身から離すという発想がなかったのですが、それがかえってよかったんだと思います。
夫も途中でハッと気付いて何も盗られていないことを確認した後に「さて、どうやってここを切り抜けよう」と考えていたそうです。
夫のズボンのポケットに入れていた財布の現金は分散していたけれど、クレジットカードは財布に入れていたようなので気付いたときにドキッとしたと後で言っていました。
未遂で済んだ理由として考えられること
私も夫も「こんなに親切なスペイン人もいるんだ」「親切な人を疑うのは悪い」と思いながらも、バッグやリュックは身から離しませんでした。
バッグを身から話さなかったこと、これが一番大きかったです。
それと普段から海外旅行前にはスリ対策を考えて対処していたことが対策になっていたと思います。
- バッグを身から離さなかった(鉄則1)
- 万が一のために現金は分散している(鉄則2)
- パスポートは肌身離さず身につけている(鉄則3)
- 背負っていたリュックやバッグは、スリ対策を考えて選んでいる
- クレジットカードはスキミング対策をしている
後から思うと、ティッシュで拭き取られている間にリュックのファスナーを開けて中身を盗られる可能性もありました。
でもリュックはスリ対策を考えて選んでいるので、たぶんピンポイントでどこを狙ったらいいのか(たまたまかもしれないけど)わからなかったと思います。
それと幸いしたことにスペイン旅行時は気温が高くて薄着でも平気で、念のために持参したナイロンのジャンパーが上着として大活躍しました。
ナイロンなので泥のようなものがかかった場所も洗ってすぐに落とせました。
下の画像は別の場所ですが、こんな感じの格好で移動していました。
場所や季節によっても持参する洋服は変わると思いますが、ナイロンのジャンパーは雨除けにもなるし一着あると便利です。
まとめ:スリに遭わない対策を考える
普段からスリや強盗対策をしていて夜の移動や行動も控えていて、今回通った道路もそんなに寂しい場所でもなかったので今回は単に運が悪かったんだと思っています(^▽^;)。
それでも今回のような出来事に遭わないようにするにはどうしたらいいのか?普段からやっていることも含めて、改めて対策を考えてみました。
- 立ち止まるときは壁を背にする
- 公共の場で、むやみやたらに貴重品や携帯を出さない
- 親切そうに声をかけてくる人には警戒する(見極め難しいけど)
- 大きな荷物を持っての移動時は、女性が前を男性が後ろを歩く
- 後ろも気にしながら歩く
- 昼間で安全そうな場所だからと油断しないで周りの様子を見ながら歩く
海外旅行へ行く時はスリや強盗に遭わないように気をつけることが一番大事ですが、遭ったときのリスクも考えて対応しておくことも大切です。
夫はこの出来事を境に財布に入れる現金は20ユーロだけにして、入れていたクレジットカードも別の場所に移していました。
以下の記事も参考にしてみてください。
私が徹底していることの1つは、クレジットカードはスキミング対策カバーに入れて持ち歩くことです。ヨーロッパに限らずスキミング防止は大切だと考えています。
私たちは次に移動するセビリア行きの列車の時間が迫っていたので、2人を後にして駅のトイレに駆け込みました。
でも拭かれている間は見なくてよかったと思いました。見ていたら泥を拭き取るためにリュックを身から離していたかもしれません。
明らかに悪質な手口でショックは受けたけれど、でも何も盗られることなく済んでよかったと思いました。移動後にチェックインしたホテルで確認したら、デニムの裏にも泥のようなものが固まってついていました。
この日のセビージャは年末にもかかわらず21度。シャワーを浴びて泥のようなものがついたデニムも洗ってそのまま履いて歩いていたら、歩いているうちにすぐに乾きました。
スペインの大きな都市は今は大きな犯罪はないと聞いていますが、スリは普通にいるので気をつけるにこしたことはありません。
こういう手口があると知っていたら最初に気付いて無視して逃げることができるので、こういう手口があるということを知ったほうがいいです。そして私のように運悪く遭ってしまったときは無視して走り去ってください。近づけないことが一番です。防犯ブザーがあれば利用するのも手です。
私は防犯ブザーも必ず持参しているのですが、このときは昼間だったのでバッグの中に入れたままでした。というか手口を知らなかったので使いようもなかったけれども。( ̄▽ ̄;)!!
汚れたキャリーバッグやリュックは水で濡らしたタオルで汚れは落ちましたが、キャリーバッグはパッと見た目にはわからないけれど少しシミが残りました。
頻繁に使うものじゃないから片付けている間にカビが生えたら嫌だなあと思い、帰国後に保険会社へ連絡したらクリーニング代は保険でカバーできるみたいです(キャリーバッグの購入時期によりカバーできる料金が変わります)。
購入時のキャリーバッグの価格から1年毎に10%引きの価格分までは保障されるということでした。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
この記事が少しでも旅の参考になると嬉しいです。
スリが未遂で終わって、ホント良かったです。。。
僕もイタリアで列車に乗った時にスリ団に囲まれたり、タイでカシミア店に連れていかれたりと、ちょっと危ない目にも遭ってますが、なかなかその際には危ない状況にいるとは実感出来ないですよね(^^;
バッグが汚れたりとかはあったにしろ、ホントに財布やクレジットカード、パスポートなどに被害が無くて良かったです!
>Shaneさん
心配してくれて、ありがとうございます!本当に未遂で終わってよかったなあと思いました。何か盗られると手続きとか大変ですもんね^^;。
Shaneさんも怖い体験をされているのですね。驚きました。そのときは大丈夫だったのでしょうか?
私がスリ未遂に遭ったときは、スペインが暖かくて着ていたのがナイロンの雨除けのジャンパーだったこともあり洋服の汚れが(デニム以外は)最小限で済んだことがよかったと思ってます!(着替えをあまり持っていってなかったので。笑。)
服の汚れも最小限だったようで何よりです。
僕も、実害には遭わなかったので、良かったです。
イタリアのスリ団の時は、列車に乗り込んだ時、客室の出入口だけが異様に混んでて、そこを通る際にすぐにポケットとか探られた気配がしたので、威嚇しながら通り抜けたら大丈夫でした。
タイのは、ブログの記事にしたのですが、騙されているとは知らずに、呑気に写真撮ったりして居たぐらいなんですよ。
カシミアのスーツを騙そうとして買わせる手口だったのですが、買わずにお店を出たときに、それまで親切だったトゥクトゥクの運転手がちょっと怖い表情し、お釣りを返してくれなかった程度だったんです(^^ゞ
>Shaneさん
イタリアのスリ団の話よく聞きますが、本当にいるのですね。集団でいるとちょっと怖いですよね。タイも何も盗られずよかったです〜。
でも旅慣れたShaneさんでもこんなことがあるのだから、私なんて狙われて当然かもだと思っちゃいました^^;。