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トラベラーにとってのバイブル本!沢木耕太郎【深夜特急】の感想まとめ

深夜特急レビュー

旅好きな友人から薦められて読んだ本が、沢木耕太郎さんの『深夜特急』です。

私は見ていなかったのですがドラマ化されたのでご存知の方も多いかもしれません。私は読み始めてからすぐにその世界に引き込まれ、夢中になって全6冊を一気に読み終えました。

「深夜特急」は、バックパッカーのバイブル本とも言われている本です。

この本を読んで、私もバックパッカーとして旅したいと思い数年後にポルトガルを2週間で一人旅してきました。

当時の私にとっては、初日以外のホテルを全く予約せずに航空券だけ予約して2週間旅するということだけでも大冒険でした。

ポルトガルの田舎を列車と日に1本か2本しかないバスを乗り継いでまわり、旅を終えたときの達成感といったら今でも忘れられません。

この感動を得るきっかけになった本が「深夜特急」です。
ここでは「深夜特急」がどんな本なのかを紹介していきたいと思います。

リアルなノンフィクション

『深夜特急』は、作家である沢木さん自身が『インドのデリーからロンドンまで乗り合いバスだけで移動できるか?』という賭けのような思い付きで実際に旅したノンフィクションの紀行小説です。

深夜特急小説

香港から始まり、マカオ、タイ、マレーシア、シンガポールを経てそしてようやくスタート地点であるインドに到達します。

そこから陸路でバスでロンドンを目指すのですが、かかった日数は1年と2ヶ月。

全部で6冊の紀行小説。抜け出せない世界から少しずつ自由に。

出発地のインドへ到達するまでに立ち寄った場所、いきなり長居してしまう香港、資金を失くしそうになるくらいにカジノにのめり込んでしまうマカオ、そしてバンコクからインドへ。

アジア編はとにかくディープです。

私にはこんな旅はたぶん無理です。でも、無理だとわかっていても引き込まれていく妖しい魅力が香港やインドにはあるんだと思わせられます。

第二巻の表紙裏にはこんな言葉が書いてあります。

第二巻より〜
香港・マカオに別れを告げ、バンコクへと飛んだものの、どこをどう歩いても、バンコクの街も人々も、なぜか自分の中に響いてこない。<私>は香港で感じた熱気の再現を期待しながら、〜(中略)途中、ペナンで娼婦の館に滞在し、女たちの屈託のない陽気さに巻き込まれたり、シンガポールの街をぶらつくうちに、<私>はやっと気が付いた。

インドへ行くのは無理でも、この言葉はちょっとわかるような気がします。『心に響く』ものを探すために旅に出る。

全ての旅人にとって、旅人じゃなくても当てはまるんじゃないかと思うんです。

“<私>はやっと気が付いた”。
この言葉の意味を知るために、私は第二巻を夢中になって読み進めました。

『深夜特急』を読んで、タイやインド、香港へ旅したバックパッカーが増えたという話を聞いたことがあります。

 

私も当時はインドに行ってみたいと思っていました。小説に書いてある世界が凄まじすぎて『そんなことが本当にあるんだろうか?』『その面影は少しでも残っているのだろうか?』とそれを確かめてみたくなるようなそんな吸引力があったから。

 

でも私は同じような安宿に泊まる勇気はないので(笑)インドへ行くことは実行できませんでした。今後もインドへ行くことはないと思います。

 

でも怖いもの見たさの旅をちょっとしたくなるような、何かを一歩踏み出すときに背中を押してくれるような、そんな勇気を与えてくれるのもこの小説の魅力だと思います。

インドからパキスタン、そしてテヘランへ、前へ前へ進んでいく。

第四巻からは、インドをようやく抜け出してパキスタンからイランのテヘラン、そしてトルコのイスタンブールからヨーロッパへ徐々に移動していきます。

前半の香港やインドにどっぷり浸かっていた期間と比べるとさくさく前へ進んでいきます。

 

第5巻裏表紙より〜
(中略)〜ふと気がつくと、あまたの出会いと別れを繰り返した旅もいつのまにか[壮年期]にさしかかり、<私>は、旅をいつ、どのように終えればよいのか、考えるようになっていた。

 第6巻裏表紙より〜
イタリアからスペインへ回った<私>は、ポルトガルの果ての岬、ザグレスで、ようやく『旅の終り』の汐どきを掴まえた。そして〜(中略)〜ひとつの旅の終わりは、新しい旅の始まりなのかもしれない。旅を愛するすべての人々に贈る、旅のバイブル全6巻、ここに完結!

読み進めていくうちに、沢木さんの経験や心情と共に自分自身の人生と重ねているような心境になっていきます。

やりたいことはとことんやる!そうすると、今はもしかしたら先が見えないかもしれないけれどもやっているうちに先が見えてくる、そんなふうに思えてきました。

自分のやりたいことはなんだろう?そう考えつつ、考えても始まらない、とにかくやってみよう!

そんな気にさせられます。ひとつの旅が終わればまた新しい旅が始まる。

やりたいことをひとつひとつやっていくことで、経験を重ねて成長してまた新しいことを見つける、そんな人生を反映させているのかもしれません。

ヨーロッパへ進むのは第五巻あたりからですが、読んでいくうちにインドは無理でもポルトガルなら一人でも行けるだろうと思いました。

 

私が実際に行ったのは2週間ほどの旅でしたが、手配したのは往復の航空券と初日のホテルだけ。あとは行き当たりばったりで決めて進んで行く旅。

 

当時はインターネットも主流ではなくて、事前に調べて行くということができませんでした。頼りにしたのは『地球の歩き方』と当時バックパッカーのバイブルだった『ロンリープラネット』の2冊のガイドブックだけ。この『深夜特急』がきっかけになったことは間違いありません。

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一冊一冊の終わりにある対談が面白い

一巻が終わる毎に後ろのページに対談があるのですが、この対談がまた面白い。それぞれに違うゲストの方々との『旅』に関する対談です。

『旅』に関することなんだけど『人生観』を見ているようでもあります。

  • 第一回:山口文憲さん『出発の年齢』
  • 第二回:高倉健さん『死に場所を見つける』
  • 第三回:此経啓助さん『十年の後に』
  • 第四回:今福龍太さん『終わりなき旅の途上で』
  • 第五回:高田宏さん『旅を生き、旅を書く』
  • 第六回:井上陽水さん『森の少女とカジノの男』

当たり前なんだけど、人が違うと旅のスタイルも違う。

そんな考えを打ち明けるかのような対談(どれも男性目線なんですが)に毎回毎回この対談を読むことも楽しみになっていきます。

終わりに

旅とは人生である!そんな言葉を実感すること間違いないです。

深夜特急

海外旅行が好きな人にとっては、私がそうだったように次の旅はどこへ行こうと少し挑戦したくなるような本です。

海外へ行く勇気がなくても、何か一歩踏み出す勇気やきっかけを与えてくれるに違いありません。

最後まで読んでくださりありがとうございました。
少しでも参考になれば嬉しいです。

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