古いコーヒーミルを入手したはいいけれど(或いは購入して使いたいと思っているけれど)、どうやって使えるようにするんだろう?と思った方の参考になれば幸いです。
✔︎本記事の内容
- 100年前のフレンチアンティーク 、コーヒーミルを分解したらどうなるのか
- オーバーホール(分解洗浄)のやり方を紹介
この記事を書いている私はコロナ前は年に2回のペースでフランスの田舎をまわって、アンティークの買い付けをしていました。自宅には1920年代のフレンチアンティークがあちらこちらに転がっているほど、古いものが好きな人です。
※コーヒーミル(コーヒーグラインダー)とはコーヒー豆を挽くものです。
壁かけ式のコーヒーミルは1900年前半に作られたものが多く、プジョー社やPeDe社のものが有名です。置いて使うタイプのものはわりと多く出まわっていますが、壁かけ式はレアです(ドイツ製は作られた数が多いのでわりと綺麗な状態で入手できることもあります)。
▲オーバーホールが終わった後、改めて組み立てた壁付けコーヒーミル(コーヒーグラインダー)
私が入手したのはフランス製。できるなら飾るだけでなく使いたいと思いオーバーホールしました。※あくまでも参考程度にご覧ください。
壁かけ式コーヒーミル(コーヒーグラインダー)をオーバーホール(分解洗浄)する
壁かけ式コーヒーミルを入手した経緯は、オランダ在住のアンティークを販売している方のサイトを偶然見つけたことから。なかなか見かけない1920年代に作られたフレンチアンティークで、外側には経年によるサビがありました。
※(↑)オーバーホールする前の状態の写真です。
コーヒー豆を入れる陶器の部分や、実際に挽く内部は比較的綺麗でしたが、この機会に徹底的に掃除することにしました。
洗浄するのに使った道具
- サビ取り液(外側用)、クエン酸または重曹(内部用)
- 各種ブラシ(真鍮ブラシ、ワイヤーブラシ、ナイロンブラシ)
- 食用油(仕上げ)
※サビ取り液は身体にとって有害な物質が含まれるため、あくまでも外側だけに使用します。口に触れる可能性がある箇所はクエン酸または重曹を使います(私はクエン酸を使いました)。
※サビ取り液を使うときは必ずマスクを着用して、風通しのいい場所で作業を行います。
ブラシはナイロン、真鍮、ステンレス、ワイヤーと4種類あり、私は全ての種類を使いました。最初にホームセンターで見つけたブラシはコーヒーミルの部品を掃除するには大きすぎたので、小さめ(目安は歯ブラシくらいのサイズ)を探して使ったら抜群に掃除がしやすくなりました。
- ステンレス:水廻りのサビ落とし、機械類の掃除などに
- 真鍮:ワイヤーブラシでは傷付きやすい材質の掃除や研磨などに
- ワイヤー:頑固なサビに最適
- ナイロン:傷付きやすい材質・水廻り・狭いところの掃除などに
私は主に真鍮ブラシでサビを落とし、仕上げの掃除にナイロンブラシを使いました。ナイロンブラシはあえて1本だけを買う必要はなく、不要になった歯ブラシで代用できます(歯ブラシのほうがより小さくて掃除しやすいです)。
私は真鍮ブラシやワイヤーブラシを単品で数本買って試しましたが、小さめのブラシ3本セットが一番使いやすくお値段も安いのでおすすめです。この手のブラシは一度使うとほぼ使えなくなるので、コーヒーミルの掃除には小さいもののほうがいいです。
オーバーホールの手順
- 分解
- それぞれを洗浄
- 組み立てる
洗浄するためにまずは分解しました。ネジというネジは外せるものは全て外しました。
ビフォーの画像を撮り忘れたので比較ができませんが、分解した箇所(外側)にサビ落とし液を浸してブラシでこする、を数回繰り返しました。内部に関してはクエン酸を溶かしたものを浸してひたすらブラシでこすりました。
画像だと色合いが多少異なるのでわかりづらいですが、実際は真鍮色になっています。
中身はわりと綺麗な状態でしたがコーヒー豆を挽いたカスなどがあったため、クエン酸液を浸したソフトブラシを使って細かいところまで掃除しました。
「これくらいでいいか」という基準は、サビの臭いがするかどうかで判断しました。サビ落とし液を使ってこすると綺麗に落ちるので、外側のまわす部分も綺麗に掃除しました。但し、いい感じで古さをそのまま残したい外側の箇所は軽めにしました。
古いものは材質がいいものを使っているので丈夫で、手入れをすることで使えるようになります。
洗浄が終わったら一度洗剤で洗って拭き取り、コーヒー豆を挽く箇所には食用油を薄く塗って仕上げとしました。※水洗いした後は放置せずすぐに拭き取らないとむしろサビがつくのでお気をつけください。
パーツが乾いたら組み立てていきます。
つくりはシンプルなので組み立ては難しくありません。
予想外だったのは、このコーヒーミルは豆の粗さを調節はできないと聞いていたのですが、このツマミをまわすことでコーヒー豆の粗さを調節できるようになっていました。
サビが酷かったネジは現行品を使いました。
組み立て完成です。
早速壁に取り付けてみました。
オーバーホール前のパーツごとの写真を撮りそびれたのでわかりづらいかもしれないですが、実用できるようになりました。
木製の蓋を載せて取り付けも完成です。
木製の蓋はさほど汚れてもいなかったので普通に食器用洗剤と研磨ブラシで洗ったら、すぐに綺麗になりました。